クリエイティブ用語集

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A~Z

          

用語解説

A~Z

あ行

アピアランス
英語のappearanceは、「見かけ」のことです。中身はそのままで、見かけだけ繕う効果をアピアランスと言います。
エンベロープ
英語のenvelopeは、封筒などの「包み紙」です。メッシュエンベロープでオブジェクトを包めば、交点をドラッグすることで、オブジェクトを変形できます。

か行

カリング(culling)
3DCGにおいて、何かの背後に隠れたり、背面になる部分をレンダリング対象から除外する処理のこと。
クオータニオン
3Dで使われる用語。三次元の空間内では、オブジェクトがいろいろな向きをとり得ます。その向きの表し方に、主にオイラー角クオータニオンの二種類が使われます。
オイラー角
XYZ三軸それぞれの周りの回転角度。
主にユーザー入力画面で使われます。
例:(30°, -60°, 15°)
クオータニオン
XYZ成分からなる方向軸とその周りの回転角度。
主にアプリ内処理やスクリプト内で使われます。
例:(10, 20, 15, 45°)
オイラー角の方がシンプルに表せますが、レンダリングに時間がかかったり、ジンバルロック問題の懸念があったりします。
逆にクオータニオンでは、パラメータが一つ増えますが、オイラー角の問題を解決できます。
なお、ジンバルロックとは、各軸周りの回転を順次行っていく際、三軸目が二軸目と同じ方向を向いてしまい、方向指示の役に立たなくなってしまう問題です。
グラフィックス・ライブラリ/API
グラフィックス・ライブラリとは、グラフィックス処理専用の関数を集めたものです。関数と言っても、グラフィックス処理は非常に計算量の多い処理であり、ハードウェアを最高効率で使うことが求められるため、その実態はプラットフォームに深く依存するAPIとなっています。
また、その多くは、シェーディング言語と言われる専用言語(C言語やC++からカスタマイズ)で記述されています。
グラフィックス・ライブラリの代表例としては、以下のようなものがあります。
OpenGL
クロノス(Khronos)グループが作っているライブラリです。歴史が古く、1990年代から続くスタンダードです。クロノスグループは、超大手ハードウェアメーカーなど100社以上から構成される非営利団体です。シェーディング言語は、DLSL(別名GLslang)です。
DirectX
Microsoft社が作っているマルチメディアAPIライブラリです。グラフィックス以外にも音声APIなどを含みます。DirectX内の、3DCG用API群は特にDirect3Dと言います。シェーディング言語は、HLSLです。WindowsとXboxで主に使われています。
Metal
Apple社が作っているライブラリです。MacやiPad、iPhoneなど、主にApple製品で使われています。シェーディング言語は、MSLです。
Vulkan
OpenGLと同じクロノスグループで作られているライブラリです。歴史あるOpenGLではうまく対応できない最新技術に対応するため、一から設計し直したライブラリであるため、Android、Windows、Mac他、様々なプラットフォームで利用されています。シェーディング言語は、OpenGLと同じDLSL(別名GLslang)です。

さ行

シェーダー(shader)
英語の shade とは、「陰」の意味で、光に対しての背面側を表します。shadow が、間に空間を挟んで地面や壁に映る「影」を表すのと対照的です。
日本語でも、シェードと言えば日よけで、シャドーと言えばシャドーボクシングなどのように、非実在像を表すことが多いですね。
3DCGでは、明るい部分と陰の部分を精細に表現し、自然な立体感を出すグラフィックス処理をシェーディング(shading)と言います。
そして、このシェーディングを行うプログラムをシェーダーと言います。
シェーダーは、何段かのステージで構成されます。
頂点シェーダーステージ
ジオメトリの3Dデータから、2Dのレンダリングデータでの頂点位置を計算します。原始的なシェーダープログラムです。
ジオメトリシェーダーステージ
一枚のポリゴンとその隣接ポリゴンの頂点を基に処理し、必要に応じてジオメトリを増減させます。比較的新しいシェーダープログラムです。頂点シェーダーステージの後に実行されます。
テッセレーションシェーダーステージ
ポリゴンを再分割し、最適化します。
ピクセルシェーダーステージ
ラスタライズ後の処理として、ピクセル単位のデータ(フラグメント)をフレームバッファのデータと合成します。
ジオメトリ(geometry)
英語の geometry は、数学の一分野である「幾何学」を表します。geo はガイア = 「地球」 であり、 metry はメートルと同じ語源で、「計測」を意味します。大昔、地形や距離を計測するために、図形や角度の計算が発展したところから始まっているのだと思います。なお、同じ geo で始まる geography は「地理」です。
CG用語としてのジオメトリは、モデルの位置や形状データを意味します。シミュレーションやレンダリングでは、このジオメトリを計算処理に使っています。

た行

チャンネル
ラスタデータには、通常、ピクセル座標とそのピクセルにおける各原色の値の情報が記録されています。また、画像を出力する装置(スクリーンやプリンター)も、数色の原色ドットを座標面上に均一に配置しています。そして、入力されたラスタデータの各ピクセルにおける各原色の値に応じて、対応する原色ドットのインク量や光量を調整することで、画像を出力します。このように、各原色値の情報が、入力から出力まで一続きの流れになっているので、各原色値の情報をチャンネル(channel)と言います。
各原色値は通常、0から1刻みで225まで(2進数で8ビット)の値をとり得ます。ただしこれは絶対ではなく、高画質化のため255以上に情報量が増やされる場合もあります。どんな場合でも共通の扱いができるよう、最小値を0、最大値を1とし、各値をその間の小数値にした扱いも、一般化されています。
なお、英語のchannelの語源は「水道」です。よって、一続きの流れになっている電気信号路のこともチャンネルと言い、TVのチャンネルも、放送局から一続きの流れになっているからチャンネルなのです。
アルファチャンネル
高度なラスタデータには、原色値の情報から拡張して、各ピクセルに存在感(不透明度)を掛ける係数のチャンネルが追加されています。これをアルファチャンネルと言います。
不透明度と言うとわかりにくですが、英語では opacity と言い、透明(transparency)の反意語なので、「不透明度」という訳になります。ただしソフトウェアにおける transparency は、単に見た目だけでなく、「操作の影響を受けない」という意味合いも持つため、「透過」と考えた方が応用が利きます。さらに opacity も、「不透過」と考えてわかれば良いですが、より直感的にするなら、「存在感」ととらえた方が良いでしょう。
デフォルト(default)
ユーザーが本来設定すべき箇所が「未設定」であること。転じて、ユーザーが設定しなかった場合の「備え」のことを指します。日本語では略して「デフォ」とも言います。
デフォルト動作は、ユーザーが設定しなかった場合の標準動作、デフォルト値は、ユーザーが設定しなかった場合の標準設定=プリセット(preset)を表します。逆に、標準設定のままでも使えるけど、ユーザーが好みで変えられる設定のことをプリファレンス(preference)と言います。
なお、デフォルト(default)は、法律分野でも、期限までに債務を履行できなかったことを意味します。de(落ちる)+fault(失敗)というのが default の語源です。
テッセレーション(tessellation)
シンプルなジオメトリデータをグラフィックス処理段階で細分化し、より複雑なポリゴンメッシュにすることで、より精細なレンダリングを可能にする技術のこと。

な行

は行

反射(reflection)
反射とひとことで言っても、物理的には、様々な用語に分けられます。反射の種類は、大きく鏡面反射拡散反射に分けられます。鏡面反射と拡散反射を合わせた総合的な反射についての反射率をアルベド(albedo)と言います。
鏡面反射(specular)
鏡や金属、平らな水面のように、表面で反射した光が鏡像を映し出す反射です。
拡散反射(diffuse)
不透明な非金属物質で、表面よりちょっとだけ内部で、散乱を伴って全方位に放射される反射です。
透明度が高く、反射要素より散乱要素が大きい物質の場合は、サブサーフェス・スキャッタリング(SSS: Sub-Surface Scattering = 表面下散乱)と言います。
また、拡散反射のモデル化として、全方位均一に反射すると考えるモデルをランバート反射と言い、マイクロファセットという微細平面を仮定することでよりリアルな反射を再現するモデルをオーレン・ネイヤー反射と言います。
ブレンドモード(描画モード)
ブレンドモードは、ピクセル色の重ね方の選択肢です。新たに色を重ねる前のピクセル色を基本色、新たに重ねるピクセル色を合成色と言います。指定したブレンドモードで合成色を基本色に重ねた結果、できるピクセル色を結果色と言います。「通常」は、基本色の上に、合成色が単純に重ねられます。合成色の不透明度a(0<a<1)に応じて、残りの1-aだけ基本色も、結果色に影響します。ブレンドモードには、他に乗算スクリーンオーバーレイや、覆い焼き焼き込みなど、10種類以上のパターンがあります。
乗算
乗算とは、掛け算です。ここでは何の掛け算をしているかというと、各ピクセルのチャンネル値を0~1の間の数値とした時の、基本色と合成色の各チャンネル値の掛け算です。よって、0である黒は、どの色と乗算しても0なので黒になります。1である白は、どの色に乗算してもそのままにします。0.5のグレー同士の乗算は、0.5×0.5=0.25 の暗めのグレーになります。乗算は、光透過率XX.X%(=0.XXX)のサングラスで基本色を見ているのと同じ見え方になります。
スクリーン
スクリーンは、基本色から反転(1-X)させたチャンネル値と、合成色から反転させたチャンネル値を乗算し、その結果をまた反転させて結果色のチャンネル値とするものです。スクリーンの見え方は、プロジェクションマッピングと同じです。基本色に最強度の光(白=1)を当てると、元の基本色がわからないほど真っ白(=1)く見えます。グレー(=0.5)の基本色に、弱い光(グレー=0.5)が、当たると、基本色より明るく( 1 – [1-0.5] × [1-0.5] ≒ 0.75 )見えます。光を当てないところ(黒=0)は、基本色そのままの色(1の乗算)が見えます。
オーバーレイ
オーバーレイは、スクリーンと乗算の良いとこ取りをした四捨五入的な重ね合わせです。基本色のチャンネル値が、半値の0.5より小さければ乗算的(2×X×Y)に、0.5より大きければスクリーン的(1 – 2×[1-X]×[1-Y])に結果色を作ります。それぞれ乗算部分に2を掛けることで、0.5付近は基本色に近い明るさになります。
覆い焼き
印画紙時代から残る写真現像用語。白い印画紙は、ネガフィルムを通して当たる光の明暗によって、変色度合いが変わり、撮像が焼き付けられます。
覆い焼きは、部分的に光量を減らして、その部分だけ白っぽさを残すテクニックです。印画紙時代は、本当に覆いをかぶせて光量を減らしていました。
焼き込み
印画紙時代から残る写真現像用語。白い印画紙は、ネガフィルムを通して当たる光の明暗によって、変色度合いが変わり、撮像が焼き付けられます。
焼き込みは、部分的に光量を増やして、その部分だけ色合いを強めるテクニックです。印画紙時代は、じっくり光を当てる時間を延ばすことで、光量を増やしていました。
プロジェクト(project)
プロジェクトとは、1つの作品創りのこと。プロジェクトファイルと言えば、制作ファイルを指す。再生専用となる、完成した動画ファイルとは違い、編集中の様々な設定値や、使用素材の元ファイル情報などを、変更可能な状態で記録しています。
補間(lerp)
2点のプロパティを設定した時、2点間のプロパティ値が、自然に変化していくように、自動的に各プロパティ値を計算してくれる機能。
具体例としては、以下のようなものがあります。(カッコ内は自動計算されるプロパティ)
ベクタデータ(座標)
2点の座標を基に、2点を結ぶ直線をレンダリングします。レンダリングには、直線上の各点の座標が必要であるため、グラフィックス処理回路は、2点の座標を基に、直線上の各点の座標を自動計算します。
グラデーション(色)
2点の色を基に、2点間の各座標の色を自動計算します。設定上は2点でも、レンダリングは点状とは限らず、通常は2線間の補間も可能です。
キーフレーム(指定したプロパティ)
タイムライン上の2点(2フレーム)を基に、2点間(2フレーム間)の各プロパティを補間します。

ま行

マスク

マスクは顔につけるマスクと同じで「覆面」です。完全に覆う使い方もありますが、通常は穴をあけて、その領域へだけ効果を付ける使い方をします。マスキングテープのような使い方です。
選択範囲にだけ効果をつける場合は、選択範囲外がマスクで、選択範囲がマスクの穴になります。この選択範囲(穴)とマスクは通常、アルファチャンネルとして記録されます。マスクが黒(不透明度0%つまり非表示・不存在)で、穴が白(不透明度100%つまり存在感100%)の領域となりますが、その中間色やグラデーションでも表されます。マスクだけを新規レイヤーにすることもできます。
【注意】Photoshopなどで使われるマスクは『減アルファチャンネルマスク』(透過化マスク)です。実在する白いマスクのイメージで穴が透明だと思うと、逆で失敗します。正しくは、マスク部分が透過化されます。穴の開いた『透明マント』と思いましょう。穴から見える部分だけが無防備です。

マスク
レイヤーマスク
特に1つのレイヤーにリンクしたマスクを、レイヤーマスクと言います。
クリッピングマスク
英語の clip は、切り抜きという意味です。下のレイヤーの不透明部分に合わせて切り取られた上のレイヤー部分だけが、下のレイヤーに覆いかぶさります。
メッシュ
英語のmeshは、等間隔に複数の縦線と横線を交差させてつくる「網」です。初期状態で水平面に見えるメッシュの交点をドラッグすることで、直感的に傾斜面や曲面を作れます。

や行

ら行

レイヤー

英語でLayerとは「層」のこと。レイヤー同士は基本的に分離され、レイヤー単位の操作は他レイヤーへの影響を防げます。逆に複数レイヤーをひとまとめに扱うこともでき、複雑な構造を複数のシンプルな構造に分解して作り上げることができます。

レイヤー
塗りつぶしレイヤー
文字通り塗りつぶしたレイヤーですが、塗りつぶしレイヤーには自動的にレイヤーマスクが付けられます。レイヤーマスクを調整することで、その下のレイヤーへのマスクとしての機能を持たせられます。
調整レイヤー
色調補正用のレイヤー

わ行

ワークスペース

多くのクリエイティブアプリでは、そのアプリとしてのウィンドウの中に、さらに用途別の子ウィンドウをいくつか並べた構成をとっています。

子ウィンドウの名前は、●●ウィンドウと言うこともあれば、●●パネルと言ったり、●●ペインと呼んだりする場合もあります。

これらの子ウィンドウは、あらかじめアプリで用意されているものです。1つのアプリで10種類以上の子ウィンドウを用意しているものも珍しくありません。
そして、これらの子ウィンドウの全部が常に表示されているわけではなく、実際は作業段階に応じて、必要な子ウィンドウだけを表示し、他は非表示にしておけます。

この、作業段階に応じて、必要な子ウィンドウだけを表示する画面構成(レイアウト)に、簡単に切り替えられる機能が、ワークスペース(work space)と言われるものです。
いわば、1つのアプリであっても、まるで作業段階に応じた専用アプリがいくつも入っていて、それを切り替えて使っていけるようなイメージです。

なお、Creative Cloud 系のアプリでは、同じワークスペース内での子ウィンドウ間のデータ連携は、[適用]ボタンや[OK]ボタンのようなボタンが無く、ドラッグアンドドロップやダブルクリック、あるいは Enter キーで適用させることが多くなります。

ワープ
英語のwarpは「歪み」を意味します。日本人は、SFに出てくる瞬間移動が「ワープ」だと思い込んでいますが、SFの瞬間移動はそもそも時空間座標面(メッシュ)の「歪み」を利用しているから”warp”なのです。